出産が近づくにつれて気になるのが「入院バッグの準備」。特に初めての出産では、どのくらいの大きさのバッグを選ぶべきか、何を持って行けば安心なのか、不安になることも多いでしょう。この記事では、入院バッグの適切なサイズから、必需品リスト、季節別の注意点まで、徹底的に解説します。
最後まで読めば、「何をいつまでに準備すれば良いのか?」が明確になり、安心して出産を迎えられるはずです!
入院バッグの大きさはどれくらいがベスト?
容量の目安は?30L・40L・50Lで何が入るか解説
出産の入院バッグ選びでは、容量は30 L、40 L、50 Lのいずれが最適か気になります。一般的には、30 Lは1~2泊分の荷物をコンパクトに収められるサイズで、最低限の着替えや洗面用品、母子手帳や診察券などを入れるのに適しています。軽くて持ち運びしやすく、陣痛バッグとしても活用可能です。
次に40 Lは、2~3泊分の荷物を収納できる余裕のあるサイズです。産後のパジャマや下着、授乳グッズ、タオル、赤ちゃんの衣類などを一式収納でき、旅行バッグとしても活用できるバランスの良い容量です。
さらに50 L超、あるいは60 L程度の容量になると、数日分の入院生活用品に加えてお祝い品や病院からもらうお土産、里帰り期間を越える荷物など余裕をもって収納できます。ただし、大容量になるほど荷物の取り出しやすさや収納のしやすさを検討する必要があります。
まとめると、30 Lは軽くて持ち運びしやすい反面収納力は限られるため、準備品を絞る必要があります。40 Lは二人分の必要なものをバランスよく収納できるベストな容量。50 L以上は荷物が多い人や長期間の滞在向けで、キャリーケースなどで利用したい方に適しています。病院の準備品内容や滞在日数を考え、最適な容量を選びましょう。
荷物が多すぎるとどうなる?持ちすぎのデメリット
入院バッグに荷物を詰めすぎると、まず問題になるのが運搬の重さです。特に陣痛時は体力と集中力が必要なうえ、重いバッグを片手に持つのは大きな負担となります。バッグが重くて持ち歩きにくいと、ストレスや疲労につながります。
また、荷物量が多すぎると必要なものがどこにあるか分かりにくくなり、取り出したいものを探すのに時間がかかります。出産時は精神的にも肉体的にも余裕が少ないため、荷物が整理されていないとそれだけで負担になります。
さらに、容量オーバーのバッグを使うと収納スペースを多く占拠し、病院の個室や大部屋では周囲の迷惑になる可能性があります。キャリータイプなら荷解き時に広げるスペースが必要になり、環境によっては使用が制限されるケースもあります。
最後に、荷物が多すぎると家族がサポートしてくれる場合にも余計な労力をかけてしまいます。入院バッグは必要最低限+安心できる量を心がけ、事前に必要・不要を見直すことがポイントです。
バッグ・キャリー・リュック、どれが使いやすい?タイプ別メリット比較
入院バッグのタイプ選びでは、主に「ボストン型のバッグ」「キャリーケース」「ショルダーやリュック型」が候補になります。それぞれにメリット・デメリットがあります。
ボストン型・トートバッグ(約40 L):口が大きく開き、中身が見やすく取り出しやすいのが大きな特徴です。軽量で持ち運びしやすく、転院時や部屋の中でも便利です。
キャリーケース(40~60 L):大量の荷物を収納しやすく、キャスターでの移動も楽です。特に退院日には、お土産や病院からもらう物もまとめて持ち帰れる安心感があります。ただし、病室で広げるとスペースをとる場合がありますし、病院によっては使用制限もあるため事前に確認が必要です。
リュック・ショルダーバッグ型(約20~30 L):軽量で手も自由になるため、陣痛バッグや母子手帳など貴重品をまとめる際に便利です。入院期間が短かったり荷物が少なめの方には最適ですが、収納量に限界があり、入院バッグ単体としては不足することもあります。
結論として、入院バッグ本体は容量や開口のしやすさを重視したボストン型かキャリー型が向いています。陣痛バッグは軽くて中身が取り出しやすいトートやリュック型が理想的です。
陣痛用と入院用は分けるべき?バッグは2つに分けるのがおすすめ
多くの専門家や先輩ママは、陣痛バッグと入院バッグを分けて準備することを推奨しています。その理由は、急な陣痛や破水時にも必要最小限の荷物で即座に病院に向かえるようにするためです。
陣痛バッグには、母子手帳、診察券、保険証などの書類類、印鑑、スマホや充電器、軽食、前開きパジャマ、産褥ショーツなど、すぐに使うものをコンパクトにまとめます。これを別に分けておくことで、陣痛が始まった際に慌てず対応できます。
一方、入院バッグには、長期滞在に必要な衣類、授乳グッズ、スキンケア用品、タオル、赤ちゃん用品などをまとめます。家族に後から持ってきてもらうことを想定するため、大容量のバッグで準備しておくのが効率的です 。
分けるメリットは、必要なアイテムにすぐアクセスできる整理性、身体的負担の軽減、精神的余裕につながるという点で、特に初めての出産の方や急な対応が必要となる方におすすめです。
出産後用のバッグは家族に後から持ってきてもらう方法もアリ
入院バッグを一度に持ち込まず、出産後に家族に持ってきてもらうスタイルも非常に有効です。特に荷物が増える退院時やお祝い品が加わる場合に有効で、初期の荷物を軽く保つことで体への負担が軽減されます。
たとえば、陣痛バッグだけを初期に持ち込み、入院生活が落ち着いたタイミングで入院バッグを追加で運んでもらいます。これによって、初期段階で荷物が多すぎて戸惑うことなく、必要に応じて柔軟に対応できるメリットがあります。
ただし事前に家族とどのタイミングに何を持ってきてもらうかを共有しておくことが重要です。病院の制限や持ち込みルールを確認し、混乱なく使えるよう計画しておくとスムーズです。
【完全版】出産時の入院バッグに入れるものリスト
必需品:母子手帳・診察券・保険証など
出産入院において絶対に欠かせないのが各種書類と貴重品です。具体的には以下のようなものが該当します:
- 母子健康手帳
- 診察券
- 健康保険証(医療証・マイナンバーカード含む)
- 印鑑(スタンプ式ではない実印など)
- 筆記用具(ペン・メモなど)
- 時計(アナログ式が手軽で便利)
- 入院関連書類(バースプラン、出生届申請書など)
これらは入院手続きや診察に必須の情報となります。多くの産院では「母子手帳、健康保険証、診察券、印鑑を必ず持参すること」と案内されています。筆記用具や時計は手続きや分娩中、授乳スケジュールの記録にも役立ちます。
衣類類:パジャマ・下着・着替えは何日分?
入院中の衣類の準備は、快適さと実用性に配慮しましょう。目安として以下の量がおすすめです:
- マタニティパジャマ(前開きタイプ):2〜3枚
- 産褥ショーツ:2〜4枚
- 授乳用ブラジャー:2〜3枚
- バスタオル・フェイスタオル:各2〜3枚
- 靴下・レッグウォーマー(冷え対策)
- 羽織物(カーディガンなど体温調整用)
たまひよや西松屋の準備リストでは、パジャマ2~3枚、産褥ショーツ・授乳ブラはそれぞれ3~4枚を推奨しています。特に授乳頻度が高くなる産後には、洗い替えを含めて余裕を持つと安心です。前開きやゆったりしたデザインは授乳や診察時の利便性を高めます。
衛生用品・スキンケア・授乳グッズなど
病院のアメニティが利用できる場合もありますが、自分の使い慣れているものを持参するとより快適です。
- 洗面用具一式(歯ブラシ、洗顔料、コットン、綿棒など)
- シャンプー・リンス・ボディソープ(小分け容器可)
- リップクリーム・化粧水・乳液・乳頭ケアクリーム
- 母乳パッド
- 清浄綿、使い捨てナプキン、産褥パッド
特に授乳直後は乳頭が敏感になることもあるため、乳頭ケアクリームや母乳パッドは使い慣れたブランドを持参すると安心です。また化粧水や乳液などのスキンケア用品もリフレッシュに有効です。
スリッパはどんなものを選ぶべき?院内で歩きやすい工夫
院内で快適に移動するため、スリッパ選びにも配慮が必要です。以下の機能を重視しましょう:
- 脱ぎ履きしやすいバックストラップ付きまたはサイドオープンタイプ
- 滑り止め付きの底面
- 抗菌仕様や洗濯可能な素材
- 軽量でコンパクト、持ち運びしやすい設計
多くの病院で推奨されており、清潔で安全な歩行を支えてくれます。また、脱ぎ履きが簡単なタイプは術後の身体に負担をかけず配慮にもなります。
あると便利なもの・持って行ってよかったアイテム
陣痛時に役立つアイテム
陣痛中は体力を温存しながらも、意識が朦朧とすることもあるため、すぐに取り出せるグッズが重要です。先輩ママたちの体験談によると、以下のようなアイテムが非常に役立ったとの声が多く寄せられています。
- ペットボトル用ストロー&ストローキャップ:寝た状態でも水分補給しやすく、陣痛中には不可欠なアイテム
- ゼリー飲料やカロリーメイトなどの栄養補給食品:長時間陣痛が続くとエネルギー切れを起こしやすいため、手軽に補給できるものが安心
- テニスボールやゴルフボール:腰や背中に置いて体重をかけることで痛みを和らげるツボ押し代用にもなる
- リップクリーム・汗拭きシート:呼吸法などで唇が乾燥しやすく、発汗による不快感を軽減できる
- 使い捨てカイロ:寒い時期や帝王切開後の冷え対策に。貼るタイプよりも直接温めるほうが安全
これらは「あると助かった」と先輩ママから頻繁に挙げられるアイテムです。陣痛バッグには小さなポーチにまとめておくことで、すぐに取り出せて安心です。
快適に過ごすための+αアイテム
入院中は意外と時間があるため、快適性を高めるためのプラスαのアイテムがあると気持ちが救われます。
- 円座クッション:会陰切開後や帝王切開後の座り姿勢をサポートし、痛みを緩和する
- 授乳クッション:腕や肩の負担を軽減し、授乳時の体勢を楽にする
- 着圧ソックスやレッグウォーマー:産後のむくみ予防や血行促進に効果的
- アイマスク・耳栓:相部屋でも周囲の音を遮断し、快眠環境を整える
- ミニトート・S字フック:スマホやリップ、メモ帳などを小分けして収納&ベッド柵に掛けておくと便利
- ホットアイマスク:リラックス効果や疲れ目・緊張緩和に使えて、特に就寝時に◎
このようなアイテムは入院生活を快適にし、長時間の滞在でも精神的・身体的負担を軽減してくれます。
スマホ・充電器・イヤホンなどあると安心な日用品
病棟での生活では、スマホやイヤホンなどのデジタルアイテムが意外に必需品になります。以下を用意しておくと安心です。
- スマートフォンと充電器(長めのコードや延長タップ):コンセントが遠いベッドでは必須
- モバイルバッテリー:コンセント使用が制限される環境でも対応可能
- イヤホン(有線またはワイヤレス):相部屋でも音を気にせず動画や音楽を楽しめる
- スマホスタンド:赤ちゃんを抱えながらビデオ通話や動画視聴がしやすい
- 小銭やミニバッグ:売店利用や共有スペース移動時に便利
- 本・雑誌・リラックスグッズ:退院までの空き時間にわずかな癒しや気分転換に
スマホやイヤホンがないと、相部屋時の気まずさや病院での待ち時間に不便を感じることが多いようです。事前に準備しておけば、快適な入院生活が期待できます。
季節によって変わる?夏と冬の持ち物の違い
夏の入院で気をつけたい暑さ・汗対策グッズ
真夏の入院では室内の冷房があっても、移動や検診などで外に出る際に強い日差しや高温多湿にさらされます。快適な滞在のためには、以下のような暑さ・汗対策グッズがあると安心です:
- 冷感素材のタオルや手ぬぐい:汗を素早く吸収しつつ、涼しさを感じられる
- 冷却ジェルシート:額や首筋などに貼ることで熱さを和らげ、不快感を軽減
- 室内用サンダル・通気性のよいスリッパ:裸足や蒸れた靴下より快適
- ベビーと母乳用の小型扇風機:夜間の暑さ対策、赤ちゃんへの風よけにも有効
- 軽量の前開きパジャマやタンクトップ:通気性がよく、寝汗対策にも必要
高温多湿の夏場は、汗による肌トラブルや食欲不振を防ぐためにも、冷却タオルやジェルシートは効果的です。冷感素材の衣類や通気性のよいバッグの中身も重要です。また、授乳時には赤ちゃんに風が直接当たらないように、小型扇風機の使用もおすすめです。
冬の入院で役立つ防寒アイテム
冬の入院では「病院内でも冷える」「外出による寒暖差」で体調を崩しやすくなるため、防寒グッズは重要です。以下のアイテムを準備すると安心です:
- フリースやウールなどのあったかインナー:夜間や朝晩の冷え込みに対応
- 電気ひざ掛けやUSB毛布:冷えやすい足元や膝を暖めて快適に過ごす
- 貼るカイロ・使い捨てカイロ:長時間安静時の体温維持に便利
- 手袋や厚手ソックス:指先や足先の冷え対策として有効
- 厚手の羽織もの(カーディガンやガウン):温度調整用に複数枚用意すると便利
寒い時期は授乳やトイレや診察で体温が下がりやすく、冷えが母乳トラブルや体調不良の原因になることも。ひざ掛けやカイロ、厚着などを活用して温度管理を徹底することが大切です。
季節ごとのパジャマ・ガウンの選び方
季節によってパジャマやガウンの素材や形状にも配慮することが快適な入院生活につながります。選ぶポイントを整理します:
- 夏:通気性・吸汗性に優れた綿や冷感素材を選び、薄手で軽いもの。前開きで授乳や診察時に便利なデザインに。
- 冬:裏起毛やフリース素材のパジャマ、厚手の前開きガウン。重ね着もしやすいゆったりサイズが理想。
- 通年:サイズはゆったりとしたマタニティ対応を選び、前開きで授乳しやすい。洗濯や汚れ替えを想定し、重ねて準備。
- 速乾性のある素材も、入院中の洗濯や着替えを楽にしてくれます。
季節に合わせた素材とデザインを選ぶことで、体温調整もしやすく快適さが向上します。汗をかきやすい夏は薄手で吸水速乾、寒さが厳しい冬は保温重視のパジャマ・ガウンを選びましょう。
入院バッグの準備はいつから始める?
おすすめは妊娠8ヶ月ごろからの準備
妊娠8ヶ月(28週以降)になると、出産予定日が近づき「いつ破水や陣痛が始まるか分からない」状況になります。多くの専門家や助産師が推奨するタイミングはこの時期からです。理由としては、余裕を持って準備できること、そして体調の変動が始まる前に計画できる安心感があるからです。
この時期ならば、バッグの選定や中身の検討、必要アイテムの購入などを落ち着いて進められ、夫や家族ともシェアする時間が持てます。さらに、突然の入院でも慌てず対応できるよう、陣痛バッグと入院バッグを分けて準備しておくのもおすすめです。
いつまでに準備しておけば安心?臨月前には完成を
臨月(36週頃)に入る前、遅くとも35週目までにはバッグの中身を完成させておきましょう。これにより、万が一早めの入院になるケースにも対応できます。
臨月前に完成させておくことで、体調が変わって動きにくくなった時でも荷物の調整や追加が不要になります。また、出産直前の体調変化や予期せぬ入院でも、冷静に対応できる準備状態を整えておくことができます。
急な入院に備えて「陣痛バッグ」と分けておくと安心
急な入院や破水など、予期せぬタイミングにも対応できるように、必要なものを分けてまとめておくと安心です。
- 陣痛バッグ:母子手帳・健康保険証・診察券・印鑑・スマホ・軽食・前開きパジャマを小型バッグにひとまとめ
- 入院バッグ:パジャマや下着、授乳グッズ、タオル、スリッパ、衛生用品などを大きめバッグに準備
これにより、陣痛開始時にはまず陣痛バッグを持ってすぐに病院へ向かい、入院後に改めて入院バッグを受け取るといったスムーズな流れが可能になります。家族やパートナーと共有しておくとさらに安心です。
【まとめ】入院バッグの大きさと中身は“必要最低限+安心感”がカギ
出産に向けた入院バッグの準備は、早すぎることはありません。この記事を通してわかったように、最も重要なのは「必要最低限の荷物+安心できるアイテム」のバランスをとることです。
バッグの大きさは30L〜50Lが目安で、用途に応じて陣痛バッグと入院バッグの2つに分けるのがおすすめ。これにより、緊急時にも落ち着いて対応でき、入院後も快適に過ごすことができます。
持ち物は必需品(母子手帳や保険証など)を中心に、季節や入院期間に応じた衣類やケア用品を追加していきましょう。さらに、あると便利な快適グッズやスマホ周辺機器を取り入れることで、より安心で穏やかな入院生活を送ることができます。
準備のスタート時期は妊娠8ヶ月ごろから。臨月に入る前には準備を完了させ、家族と共有しておくことで急な入院時にも安心です。